“ K U W A R A N C A ” Yoichiro Aso/料理家、執筆家 麻生要一郎氏オリジナルブランドを発売
ラブレス青山に併設するカフェHADEN BOOKS:代表であり、雑誌やアパレルの撮影現場、コンサート会場や舞台へのお弁当のケータリングが家庭的な味わいが人気を博す、料理家麻生要一郎(あそう よういちろう)氏 料理家による暮らしに寄り添う、オリジナルブランドが今シーズンよりスタート。ご本人来店のイベントと共にラブレス ニュウマン横浜、ラブレス青山にてローンチいたします。



藍染リネンバッグ ¥6,050 LIGHT/DARK オリジナルチャーム あずき/るり/なす/チョコレート/オリーブ ¥1,650※5色展開予定
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麻生要一郎 オリジナルエプロン
「 KUWARANCA 」に寄せて 文:麻生要一郎
向田邦子さんのエッセイ集「夜中の薔薇」を読んだのは二十年以上前。その本に収録されたエッセイで紹介されていた、豚鍋、若布の油いためを作ってみるようになったのもそれからの事。思えば長い付き合いになる。
作家として、脚本家としてテレビの草創期に多彩な活躍をした向田邦子さんの事を知るようになったのは、子供の頃に見たドラマの世界がきっかけ。やがて彼女の執筆したエッセイや小説を好んで読むようになった。飾り気がなく、手早く完成する料理は、すぐに再現する事が出来た。そして、小気味の良い文体はいつも憧れ、僕も文章を書く時には、一編読んでから臨んでいる。
今回、麻生のオリジナルグッズを作る事となり、そこに何か言葉を入れようと思い悩んだ時、何語か分からないような、どこか懐かしく、柔らかい、暮らしに纏わる言葉と考えた時、ふと向田さんの大好きなエッセイのタイトルが頭に浮かんだ。いつもの筆ペンでタイトルを紙に書き、改めて読み返してみると、この料理もあの料理も、この中から読み拾ったのかと、再確認。そして当時とはライフスタイルも随分と変化した現代にあっても、全く色褪せぬ感覚が、そこにあった。
打ち合わせで「KUWARANCA」と書いた紙とエッセイを見せて評判は上々、しかし最後に「麻生さん"くわらんか"じゃなくて"くらわんか"なのでは…」そう言われてハッと気がついた。何語かわからないわけである、僕は何十年も勘違いしていたのだ。今回、改めて言葉の意味を確認した時には、検索ワードにちゃっかりと「くらわんか」と入力しているのだ。それでも何も疑わない、人の思い込みとは大したものだと、我ながら感心した。
今回のグッズ制作は「VOIRY」に協力を依頼、エプロンは日々の家事を軽やかにしてもらえたらという思いで、そして藍染のリネンバッグは、お花やバゲット(葱やごぼうでも)のような長ものを入れられるように考えて深さを持たせ、長い紐を結ぶとトートバッグとしてもエプロンとしても使えます。加工は「WALTZ」にお願いをして、ロゴと猫のチャームの絵は、本の装丁と同じく緒方修一さんにお願いをしました。「僕の献立 本日もお疲れ様でした」「僕のいたわり飯」と併せて、日々の暮らしの中でお役に立ちますように。
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麻生要一郎[ 料理家 ]
本と珈琲の店「HADEN BOOKS:」をセレクトショップLOVELESS 青山にて営業。
近著に「僕のいたわり飯」「僕の献立 本日もお疲れ様でした」(光文社)『POPEYE』(マガジンハウス)誌面にて「いい男になるために」エッセイを執筆中。
Instagram @yoichiro_aso